身の回りの植生。
自然農を勉強し始めて、実際に土地の開墾をしていくと、時期によって生えてくる草の種類がどんどん変わっていくことや、出てくる虫も4月と今では全然違って、種類もどんどん増えていくことに気づきます。
土地に行って、草を刈ったり、根を抜いたり、木を切ったりしているだけなのに、ここで行われている無数の植物や虫の攻防で、自然の生態系が循環していることを感じます。
一方、都市での生活は、道端に生える雑草くらいでしか、自然の植生を感じることができません。
雑草は虫がついているから、と雑草を嫌ったり、駆除する対象であったりします。
まわりにいる虫たちが何のために存在しているか知らなければ、「気持ち悪い」で終わってしまいます。
でも本当は、あなたの食べる野菜につく虫を食べてくれる虫だったり、野菜を育む土壌をつくる、大切な存在であったりします。
私も、ずっと虫は嫌いでしたが、この子達が私の土地を豊かにしてくれているんだ、と思うと、愛着がわきます。
自分が住んでいる土地に生える植物や、虫の生態系を知ることは、自分の生活には身の回りのすべての動植物が必要であると知ることなのではないかと思います。
それを知る手がかりは、そこに生きる虫や植物の助けを得て作物を育てる「自然農」を実際に体験してみることなのではないかと思います。